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「レッドアローとスターハウス」

原武史著「レッドアローとスターハウス」を読む。

東京の西郊を疾走する、西武鉄道の特急電車「レッドアロー号」は、西武的なモノの一つの象徴であるという。西武鉄道は他の電鉄会社と違い、宅地開発に積極的でなかったため、沿線に巨大な公団住宅が次々と建てられたようだ。なかでも「スターハウス」と呼ばれる星型住宅は、団地時代の到来を告げる記念碑的な建物であるらしい。

少年期に沿線の団地を転々として過ごした著者は、堤康次郎という資本家の政治意識に浸透された西武沿線と、その内側に出現した団地という二つの空間に生まれた、アイロニカルなドラマに注目している。

堤康次郎は大の親米派であり左翼嫌いであるにもかかわらず、ある時期の西武沿線は政治思想的にも(自治会活動)、建築的にも(集合団地)ソビエト的な方向に傾斜してゆき、ついには、団地の同質空間に規定されて生じてくる住民たちの政治意識が現れ始める。それは堤の思想と逆行するかたちの、何とも皮肉な結果であったという。トケオ

Photo 「レッドアローとスターハウス」 新潮社

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コメント

長く西武池袋線沿線に住んでいましたが、他の鉄道会社と比べて、すべてが遅れていたように感じます。
高架化遅かったため、池袋~石神井公園間は「開かずの踏切」となり、電車も減速を強いられ、当時(1980~90年代)東京で一番の混雑する車両であったと記憶します。
私の利用していた「武蔵藤沢」駅は1日2万人近くの利用者があったと思われますが、平成10年まで、島式ホーム1面2線でホーム内に踏切のある古~い駅(ex「古町」駅)でした。
改札口が入間市方面にしかなく、狭山市方面の利用者は平成19年まで徒歩5分以上の大回りをしていました。
何度陳情しても、駅舎が入間市に建っているため狭山市民の声は届かない、という噂がありました。
駅員さんの制服が地味で事務所も古くて、利用していて「なんかあんまり『人』のこと考えていない会社だな~」と思っていました。
個人的な不満ばかり書いてしまいましたが(笑)、レッドアローは懐かしいです。
機会があったら読んでみようと思います。

沿線に長く住んだポン酢殿には誠に気の毒だけど、個人的にはあの殺伐とした沿線風景が割と好きです。
本のほうは、他にも興味深いエピソードが満載なので是非いつか読んでみてください。

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