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スティーヴンソンの「吉田寅次郎」

 黒川創著「国境」を読む。 「宝島」の作者、スティーヴンソンは、「吉田寅次郎」という吉田松陰の小伝を書いている。松陰晩年の弟子である正木退蔵という日本人と、郷里のエディンバラで知り合い、松陰の話を聞いて感銘を受けたことが、「吉田寅次郎」を書くきっかけであったとか。「吉田寅次郎」で、スティーヴンソンはこう述べている。

  「最後に江戸で囚われの身になったとき、吉田は孤立したわけではなかった。隣の独房にはクサカベという薩摩の志士がいた。クサカベは処刑の場に向かうとき『水晶は、屋根瓦みたいに無傷でいるよりも、砕け散るほうがよいのだ。』という意味の漢詩を付け加えた。」

 「一言しておきたいが、私は、これが、ヒロイックな個人の物語であるとともに、ヒロイックな国民の物語であることを、読者に受け止めそこなってほしくないと望んでいる。吉田を覚えているだけでは十分ではない。大いなる心をいだく紳士たちと同時代に生きてきたのは、愉快なことではないか。」                                                       

 夏目漱石もスティーヴンソンの愛読者であり、こんな歌がある。

 「無人島の天子とならば涼しかろ独り裸で据風呂を焚く」 漱石

  Photo スティーヴンソン

 

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