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眼ぎりじゃ

  中村草田男の随筆「句作の思い出あれこれ」を読んだ。

  草田男が二度目の神経衰弱で大学を休学していた昭和3年頃の話。草田男は、「使徒型」の主義者である白川晴一に、「句帖を、ひとつ、お見せな」(「見せてみろ」という松山言葉)と言われる。句帖を受け取った白川は丹念に各頁を黙読吟味し、最後に到るや、素気なく、それを畳の上に投げ出し、「眼ぎりじゃ」(「眼ばっかりだ」)と呟く。息をのむようにしていた草田男は、この「眼ぎりじゃ」を喰らわされ、その都度、又かと、がっかりせずに居られない。

  ある時、「鶏の駆けきて冬の日向かな」という句を草田男が好きになって、感想を述べていたら、白川がwith a wide smile(唇をとじたまま含蓄のある笑いを浮かべること)といった表情で、「ちょんぼり溶けてみだしたようだな」(「少しは溶けてみだしたようだな」)と呟く。こうして草田男は「眼ぎり」の状態から、対象の中へ溶けこむ兆しが見えだしたという「おみとめ」にあずかったわけだ。    なんか、いいなあ、この話。(トケオ)

    Photo_2

松山高等学校在学時代、父母と共に。中央が草田男(大正13年)

 

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コメント

神経衰弱で大学を休学するてて、どんだけトランプ好きやねん!
と思ったら、トランプの神経衰弱ではなくてホントの神経衰弱だったんですねwww
こりゃまた失礼いたしました!


などという低い位置からのこんなツッコミは如何なもんでっしゃろか?(お約束www)

乱駆郎さん

低い位置からなんて、ご謙遜を。かなり高度なツッコミとみました。
でも草田男、たいしてトランプ好きじゃなかったんです。「二度目の神経衰弱」ですから。どんだけハードな勝負やねん!ってとこですかね。

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